結婚・出産を望む女性が結婚相談所へ行く理由

興味深いのは、同じ産科医であっても、最適初産年齢に対する見解が違うことです。結婚相談所は、『初産はやはり二十代後半がいい』と主張し、愛育病院の加藤秀子先生は『三十代前半が最適』と主張しておられます。

加藤先生ご自身は、三十六歳で初めのお子さんを、三十九歳で二番めのお子さんを産んだそうです。第一子の分娩所要時間は六時間、その経験をもとに、三十代の人は、いいお産をしていると述べています。

結婚相談所よりこの二人の先生の意見を、引用させていただきます。本多「出産前後の乳幼児死亡率をとっても、妊産婦死亡率をとってみても、二十代がもっとも危険が少ないことは、はっきりしています。

三十代では二十代に比べて、ダウン症児を出産する率は二倍。四十代では実に十倍にもなります。ダウン症以外の奇形についても、同じような結果が出ています。

やはり出産は、できれば二十代で。はじめたほうがいいと言わざるを得ませんね」加藤「日本産科婦人科学会では、高齢出産を三十歳以上からとしていますが、WHO( 世界保健機構)では、三十五歳以上です。

診察している実感からも、統計からも、三十代前半と後半では、ハイリスクの率はかなり違う。

私は、現在の三十代前半の人は、精神的にも落ち着いているし、体力もあるし、お産の最適年齢だと思います」本多「日本では、高齢初産の危険率を重視しているんです。

私は、三十代以上の高齢に初産というファクターが加わると危険は二倍になると思います。初産は経産( 二度め三度めのお産のこと)に比べて、分娩時間は二倍になりますから」加藤「加齢に伴って、身体が変化することは事実ですが、三十代後半から産みたいという人は、起こりやすい異常についての知識をもち、予防をすると、リスクはかなり避けられると思います。

現在の三十代は、昔の三十代とまるで違う。その点は安心していいですね。最近では、子どもが子どもを産むと言われていますが、三十代は大人が子どもを産むという雰囲気で頼もしいですよ」

結婚相談所は、危険を出来るだけ少なくするよう、二十代の初産をすすめ、加藤先生は、医学的管理でそうした危険は予防出来る、それよりも、精神的な成熟を、母親になる女性そのものが心がけよう、そう言っているように思えます。肉体重視派と精神重視派の違いでしょうか。

どちらの先生の意見をとろかは、あなたの考え方でしょうが、私なら加藤先生の意見に賛成です。一人前として結婚し、一人前のオトナとして子供を産む、その精神的安定は、子育てのうえで大変大切なことだと思うのです。

結婚した30代が急増している婚活時代

◇妥協の結婚

他人はダマせても自分の心はダマせないこの短大生のアンケートでは、( ンサムとか、学歴が高いとか、家柄がいいというのは、ほとんど選ばれておりませんでした。

とくに、学歴志向の低いことが、前述の世にいう三高とは違っています。彼女たちは、タテマエであるかもしれないけれども、一応は外側の飾りよりも内側の問題よといっているわけで、この結果には私も満足しています。

ところが、親が求めるであろうと考えられる条件としては、けっこうこの外側が高い比率となっています。安定した会社に勤めていて、将来性がある男を親は求めるにちがいないと、娘だちは思っています。

この2条件がダントツに高いですね。そのうえ、思いやりがあって優しければ申し分ない。親はいささか打算的であると思われています。

妻が働くことに理解あるとか、家の中のことを分担するとか、そういうことを求めるであろう親は、少数派のようです。私も親の立場ですので、これだけは若い女性に知ってほしいのですが、親は娘の幸せを心から願っています。

でも、けっして打算的なものを求めはしません。安定した会社に勤めていて、将来性があると思えば、安心もするでしょうが、そこには世間体や親戚の手前をおもんばかるミエの部分があるように思います。

私が娘の結婚のときに一番望んだことは、このアンケートでは少数派ですが、妻が働くことに理解と具体的な協力のあることでした。それは娘自身がそういう生き方を望んでいたからです。

娘が望んでいるような生き方を支持支援出来るような男、それを親は一番望んでいます。

これも結局、親子の理解のしあいなのでしょうが、親は娘が望むことは望むけれど、望まないことは望まない、けっして親のミエやエゴを押しつけはしない、このことを知ってほしいと思います。

第一、私も五〇年も生きていますから、安定した会社といっても、時代の波にもまれることを知っています。現在好況でも将来のことはわかりません。また、現在は小企業でもどんな発展をするかわかりません。安定した企業などというものも、そうそうはないのだと知っています。

その間に横の楾が一本つながっていますね。この横線が二本の線をつないでいます。タテ線は男と女の精神的な、経済的な自立ではないでしょうか。ヨコ線はお互いの協力、あるいは上手な依存を示しているように思います。

このタテとヨコがうまく組みあわさっているH という文字こそ、これからの夫婦のありようを示していると思います。作家の村瀬春樹さんは、夫婦ともに作家で、経済も家事も二人で分けあっています。

結婚さえすれば“一人前”になれるから相談しよう

「早くけっこんしたい」とはっきり書いている人もいます。結婚を平仮名で”けっこん”と書いてあるあたりに、乙女的な願望がこめられているように思われまナ。彼女は、二十四か五で結婚したいと答えていて、「精神的に落ち着いて、愛情のある結婚相談所が出来る」とも書いています。

その他気のつく意見を拾ってみましょう。- 結婚は女の夢だと思う。結婚して専業主婦したい。結婚には憧れる。相于につくすとかいうのではなく、精神的な安定が得られるような気がするのが結婚相談所です。

でも、実際に結婚しても、離婚が多いところを見ると、その安定も得られないのかもしれない彼女たちの、結婚へのあこがれと未知なるものへの不安、よくわかりますね。

結婚する前に離婚も頭に置いているとは、なかなかクールではありますが、それでもあこがれるんですね。これが若さというものなのかもしれません。

まだあまり考えたくない問題であるが、来年は二十歳だし、四、五年もすれば、真剣に考えなくてはならないのだ。……ああいやだ!- 結婚はいろいろな面から失敗を許されないような気がする。社会的責任などもともない、重味のあることだと思う。

― いくらキャリアウーマンといっても、結婚をしていなければ一人前の大人として社会は認めないと思う。(いくら)父親が結婚に反対でも、本当は娘の結婚を心から望んでいると思う―仕事をする女よりも、結婚している女のほうが社会的一人前と認められやすい、彼女たちはそう思っているんですね。これは、なかなか根強い考え方です。

でも、本当にそうなんでしょうか。そもそも”社会的一人前”とは、どういうことをいうんでしょうね。彼女は「結婚していなければ一人前として社会は認めないと思う」、と書いているけれど、この″社会”というのが曲者です。

もし社会を”職場”や”銀行取引き”なんぞのところまで広げて考えれば、職場では、むしろ結婚はマイナスになるかもしれないし、また”銀行取引き″なんぞとなれば信用の目安となるかもしれない。

社会というのもじつにアイマイなものがあって、ここで彼女がいう”社会”とは、親とか親戚、あるいは近所のオバサンたちをいっているような気がします。

だけどこの”社会的一人前”は、けっこう支持される考え方のようです。- 結婚について、いろいろなことがいわれていますが、あなたの感ずるものにいくつでも○印をつけてください―という質問で、肯定的・否定的意見をとりまぜて一〇項目ほど用意したところ、この″社会的一人前”は第四位にあがっていました。ちなみに、高いパーセント順に並べてみると次のようになっています。